そうか、おこったらあかんなぁ

このあいだ奈良の三条通りを歩いていたら、賛美歌のようなのが聞こえて来たので、ついつい山門をくぐったら、 伴奏はオルガンだし やっぱりこれは賛美歌なのだと思った 。それが心地よくて、とっても穏やかな気持ちになって、そのまま立ち去ろうとしたら、山門の所でご住職のような方に出会って「これは賛美歌ですか」って聞いたら「仏教讃歌って言うんですよ、山田耕筰なんかもつくっています」って言われて、えっこんな音楽あるんだって思った。ご住職に「あまりに良かったものですから」って言ったら次から次へとお話が弾んで、この間のパリでのことにまで及んでしまった。ほんとに穏やかなご住職で、「おこったらあきませんよ」ってとってもやさしく言われて、「そうか、おこったらあかんなぁ」ってすっかり納得したのだった。仏教のことなんかちっとも分からなかったけれど、町をふらふら歩いていると、すーっとこころに入ってくるようなことがある。(九条山・浄教寺にて)