噛み切れないものを噛み切れないままに

6月29日の朝日新聞の「折々のことば」は「 白だ黒だとけんかはおよし 白という字も墨で書く」都々逸からだと言う。いいなぁ、ぼくが子供の頃には,まだこういう都々逸的世界が残っていたような気がする。鷲田さんはこれを引いたあとこう続ける「 ことばはものごとを分けて立体的に見せてくれるが、それらを単純化し、対立をむしろ固定しもする。しかしさらに、ことばにはその対立を溶かす力もある。ことばは、噛(か)み切れないものを噛み切れないままに表すときにもっとも深くなる。」いま僕たちに必要なのは,もういちど都々逸世界をおさらいすることなんじゃないかなぁ。
 http://digital.asahi.com/articles/ASH6H3HCKH6HUCVL00V.html