そうだ「人生は待つこと」なのだと

最近はもうこの本を開かなくなってしまった。待ちくたびれてしまったのかな? 

 

2020年5月2日

『待つということ』 著:鷲田清一

この本はこの10数年のあいだ、折に触れ開いたり、眺めたり、再読したりしてきた。そうだ「人生は待つこと」なのだということを教えてくれた本なのだった。

意のままにならないもの、偶然に翻弄されるもの、じぶんを超えたもの、じぶんの力ではどうにもならないもの、それに対してただ受身でいるしかないもの、いたずらに動くことなくただそこにじっとしているしかないもの、そういうものにふれてしまい、それでも「期待」や「希い」や「祈り」を込めなおし、幾度となくくりかえされるそれへの断念の中でもそれを手放すことなくいること、おそらくはそこに、<待つ>ということがなりたつ。p.17