すごく残念なことだ

ずっーと舟越さんが作る彫像みたいな人に会えるかなと思ってきたけれど会えない。誰も舟越さんの彫像みたいな人にはなれない。

 

2021年1月21日

舟越さんの彫像が好きだ。普段着だけれどとても端正なセーターやシャツを着ている。髪のかたちもきちっとしていて、とても静かだ、それでいてとても自由だ。こういう人になれたらなあ思う、でもこういう人はなかなかいない、こういう人になるのはとても難しいことなのだと思う。よく昔の人はいい顔をしていたという、舟越さんの作る彫像たちは昔の人のいい顔とも違う。もちろん今の人の顔とも違う。じゃあ未来の人はこんな顔になるのだろうか。そんなこともなさそうだ。昔も今も将来も僕たちは舟越さんが作る彫像のようなたたずまいを持てない。すごく残念なことだ、とても淋しいことだ。