もっともっと「ててよ」って言ってほしい

今日はとても寒いからセンセイの家からの帰りに寄り道、国立の「日日」今日の憂いは今日にて足れりとも言うし。お供は「夢十夜」」夏目漱石作。
「喜いちゃんは子供心に、こうして裏の長屋を見下すのが愉快なのである、造幣へ出る辰さんが肌を脱いで酒を呑んでると、お酒を呑んでてよと御母さんに話す。大工の源坊が手斧を研いでいると、何か研いでてよと御祖母さんに知らせる。その外喧嘩をしててよ、焼芋を食べててよなどと、見下した通りを報告する。すると、よしが大きな声を出して笑う。御母さんも、お祖母さんも面白そうに笑う。喜いちゃんは、こうして笑ってもらうのが一番得意なのである。p.84
なんでもない風景なんだけれど、なんだかこころが暖まる描写だなぁ。さすが漱石さん。ところで今の女の人たちも、もっともっと「ててよ」って言ってほしい。