決して希望を失わないでいようよ

決して希望を失わないでいようよ、なんて言われても、でも分かった、ちょっとだけ信じてみようと思う。それにしても岩波ホールがなくなってしまうらしい。好きなものたちに限って無くなっていくのだから。

2017年2月4日
何という難しい映画だろう。それでもendroleが流れる頃に包まれるしんとした静けさはなんだろう。ここ数日続いていたとげとげした心持ちはいつのまにかどっかに行ってしまっていた。難解な映画を見たとき、見なきゃよかったと思うことがよくある。この映画は正反対だ。なんとも困った映画だ、でも見てよかった。確かに難解だ。でも切り取られる映像のなんとスタイリッシュなこと、語り合う男の女のなんともオシャレなこと、それにしてもぴか一なのが音楽だ。「 こんなにばかばかしい世界だけれど、でも音楽だけは信じられる」イオセリアーニはそんな風に言っている。数々の革命、連綿と続く戦争、何かいいことあったの、何も変わっていないじゃないかと、世界は人生はなんともばかばかしいこと。でもこの映画は言っている。ワインでも傾けながら、音楽にでも耳を傾けながら、ふしぎな恋をしながら、決して希望を失わないでいようよ。そんな風に言っている映画だった。原題の「冬のうた」はグルジアのこんな民謡によっているらしい 「 冬だよ。だんだんつらくなってゆくよ、花々だってしおれるよ。でも、どんなものだって僕らが歌うのを妨げたりなんてできないさ」
イオセリアーニはこんな映画をつくりたかったといっている。「楽しかったなぁ、もうひとりきりじゃない、お祝いにいっぱいやることにしよう!」https://www.youtube.com/watch?v=-H9kUw0deW8

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