おうちのひと、お庭のひと

【7日間ブックカバーチャレンジ 02】 
荷風へようこそ』 著:持田敘子 
おかしな時代になってきた。でも荷風さんだっておかしなおじさんだった。こういう時代だからこそ、荷風さんのようにおうちだの、お庭だのと言い続けていきたいと思う。 お庭文学というのがあるだろうと、そんなのを探してきては読んでいるのだけれど、持田叙子さんの「荷風へ、ようこそ」は、従来荷風と言えば、散歩のひと、街歩きのひと、ばかりが喧伝されているが、実は、おうちのひと、お庭のひとではなかったかと言うようなことを書いていて、そうだそうだと強い味方を得たようで嬉しい。だんだん勇ましく、凶暴になって行く時代において、おうちだの、お庭だのと言いつづけた荷風さん、モネの「ジヴェルニーの睡蓮」の装幀に喜んでおられるだろうなぁ。

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