遅いながらも気がついてよかった

この頃から、小説って面白いなぁと思うようにようやくなってきた。何事も気がつくのがとても遅い。遅いながらも気がついてよかった。

 

2012年2月23日
「小さなおうち」を読み終わった。小説ってこんなに静かなんだ、こんなにたくさんのことを語るんだ、街のこと、家のこと、戦争のこと、海のこと、少年のこと、年をとると言うこと、品位と言うこと、チャーミングと言うこと。
読み始めたころ、これは街と家の小説だなんて書いたけれど、そんな小さな世界ではない、でもやはりちょっとこの小説の醸し出す空気とは異質だけれど、大空襲があったわけでもないのにいま、どうして街を家を次から次に壊し続けるんだ、昭和の初めの頃、モダンと言う言葉が手あかにまみれていなかった東京の街が見ればきっとおこるぞ。