久しぶりにカフェのところにお客様が来られた。2か月ぶりくらいかな、そんなのカフェじゃないと言われそうだけれど、カフェの看板はおろさないでいる。カフェらしきものを始めたのは10数年前、この小さな商店街に第一次のシャッター通り化が進んでいた頃だった。やっぱり街にはみんなでお茶を飲んだりご飯を食べたりするところが必要だろうということから事務所の半分をカフェにした。でも数年前、一軒おいて隣でカフェを始めてくれる若いお母さんが現れて、僕たちの役割は終わったかな、若い人たちにバトンタッチしようと思ったから、最近はあまり積極的にカフェのことはしていなかった。でも看板だけは下ろさずに、お茶を飲みながら建築やランドスケープや街の本が読める場所になればいいなと続けている。もうぼくたちもリタイアしてもいい年だから、このカフェをそろそろ閉めようかなと思っているけれど、たまに今日みたいに、ここ前から気になっていたんですよと訪ねていただける方がいるとやっぱりやめられないなぁと思う。ちなみに店の名前はカフェ・ドゥドゥという。ドゥドゥというのは数年前まで僕たちが飼っていた雌のバセット・ハウンドで彼女が店主として頑張ってくれていたからそん名前をつけたのだった。
