でも、どんなにこんがらがっていても

この映画をどう考えればいいんだろう。ウディ・アレンはいつもウディ・アレンの映画を撮る。一年に一本は必ず映画をつくり、毎週月曜日の夜には必ずジャズ・クラブでクラリネットを吹く。映画にはいつも古いジャズが流れ、女たちはいつだっておしゃれで、男たちはいつだって不器用で、そして男と女はいつだってこんがらがっている。でも、どんなにこんがらがっていても、どんなにぐちゃぐちゃになっていても、それはそれとしていつも懐かしいジャズが流れ、いつだってみんなおしゃれだ。それがウディ・アレンでありウディ・アレンの映画だと思う。今回の映画の舞台になったコニー・アイランドの観覧車が、ハンプティーが切符を切るメリー・ゴーランドが、いつだってどんなことがあっても回り続けるのと同じように。そんな風にウディ・アレンは死ぬまで彼の映画を撮り続けるのだと思う。ウディ・アレンはいつまでも回り続けろ、いつまでも生き続けろ、おしゃれをして、音楽を口ずさみながら、ただそのことを言うためにだけ映画を撮り続ける。そんなアレンに僕たちも元気をもらう。ウディ・アレン82歳、あっぱれな人生だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=17TsW6ZcnVE