あくまで優雅でありつづけていたこと

フランソアがいいのは反戦運動の側に立ちつづけてきたにもかかわらず、あくまで優雅でありつづけていたことだ。

2017年6月11日
最近覚えた楽しみがある。自宅の本箱の本を一箱づつ、整理していくことだ。そしてこれも最近覚えた楽しみのひとつ一箱古本市に出す本を選び出す。一冊つづ選んでいると、えっこんなところにいたのという本に出くわす、もうすっかり忘れていたけれど、また会えてうれしいというような本。今日出会ったのは鶴見俊輔さんの「 ちいさな理想」。タイトルからして鶴見さんだ。ぱらぱらとしていたら、京都の喫茶店フランソアのことが書いてあった。「戦前から戦後へ、反戦運動の側に立ってきた店は、東京では、私の知る限り少ない。ない、と言ってよい。京都では、ある。このことが、私にとって京都を懐かしいところにする。・・・・・・・映画を見て、コーヒーを飲んで話し合う、そういう日常の習慣の中で、反戦感情が養われた場である。・・・・・フランソアは私にとって60年近い歴史を持つ、この店そのものにとっては80年の歴史である」そういう日常の習慣こそ大事なんだと鶴見さんは言う。それしても本というのは息の長い付き合いをしてくれるものだと思う。