この映画は語ろうとしてもなかなか語れない。見終わった後、言葉が溢れてくる映画と黙ってしまう他ないという映画があるけれど、この映画は後者だ。ただただ黙って見て、ずっと心の中にしまっておく、その静けさや美しさをそっとしまっておくそんな映画だと思う。とにかく美しい、風景も衣装も音楽もそして俳優たちも。何度も出てくる大きな木のある墓地が好きだった。墓地というのはこういうところことなのだ思う。様々な背景もこの映画を作っている。駅のホーム、機関車、客車、何通もの手紙、インクで書かれた宛名の字、ピアノやバイオリンなど。時々、映画ばかり見てていいんだろうかと思う。いいんだと思った。映画ばかり見てていいんだと思った。映画でしかすくい取れない世界がきっとあるのだと思う。強さと美しさを併せ持つ映画、見終わって後、背筋がピンと伸びる映画だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=8g7HgkWTzyE&t=10s