おだんごみたいでかわいらしい

このところ渡辺京二さんのことが気になっている。石牟礼道子さんを読むうちに出会ったひとだ。その渡辺さんが心の支えにしてきた詩を集めた「日本詩歌思出草」詩についてなどほとんど触れることがなかったから、途中で何度も投げ出そうと思ったけれど、中勘助の「 妙子さん」に出会ってほっとした。「かわいいかわいい妙子さん/まみえのしたが美しい/お父様ほどふくらまず/お母様ほどひっこまず/おしどりみたいでうつくしい/かわいいかわいい妙子さん/小さなはながかわいらしい/てんぐさまほどたかからず/おかめさんほどひくからず/おだんごみたいでかわいらしい」この詩を若い頃に読んでいたら、もっともっと自由に屈託なく生きてこられたのかな。