背伸びができる居場所が好きだ

渋谷アップ・リンクがいい。映画好きの友達の家を訪ねるよう。小さな映写室に入ると壁にはふつうに本箱が、客席にはプロダクト・デザインの名品、ニイ・チェアが並ぶ。こんな映画館ができる時代になったのだ。生きているとちょっとだけいいことがある。近ごろ「居場所」ということがよく言われるけれど、だらっとする居場所なんていらない、ちょっと背伸びができる居場所が好きだ。東京という街、総力戦では敗退に敗退を重ねているけれど、渋谷の裏町の局地戦くらいはおもしろく戦いたい。