「本当によく生きて来れたよね」

この間、又吉直樹が番組に出ていた。テレビなどで彼を見かけると、作家としての又吉のことは知らないけれど、なんともいいやつだなぁと思っていた。だから「火花」を読むことは緊急の課題ではなかった。この間の番組は作家としての又吉を追いかけていた。それはお笑い芸人としての又吉とはまったく違っていて、七転八倒して言葉を紡ぎ出すひとだった。「慢性的に憂鬱でないといけない」などと言い切るひとだった。印象深かったのは古井由吉と一緒に飲むシーンだった。古井のこともよく知らない、又吉のこともよく知らない、でもこの二人を見ていて、このふたりのことはよく知らなきゃいけないなと思った。第二作は「本当によく生きて来れたよね」って、又吉らしい主人公に恋人が語りかける恋愛小説だと言う。
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170226