お腹のそこにずしんと響く

2016年1月21日朝日新聞朝刊インタビュー欄に辺見庸さんがこんなことを書いていた。久しぶりにお腹のそこにずしんと響く言葉だと思った。
――SEALDs(シールズ)のような若者の行動は新鮮に映りましたが。
若い人たちが危機感を持つのは理解できます。ただ、あれは『現象』だとは思うけど、ムーブメント(運動)とは考えてません。まだスローガンみたいな言葉しか言えてないじゃないですか。ぼくはそこに何も新しいものを感じない。もっと迂遠(うえん)で深い思想というか、内面の深いところをえぐるような言葉が必要だと思います」
――極端に言えば、いまの自分の暮らしが保たれることだけを願っているように見えると?
 「そういうことです。『怒りの芯』がない。それは言葉の芯とともにどこかに消失してしまったんでしょう。
ただ、場違いなことが、どれだけ大事なことかという気がします。ささやかな抵抗のほうが、国会前での鳴り物入りのデモよりも頭が下がります」
勇気なんて、あんまり好きな言葉じゃないけどね。おずおずとした発言でいい。かっこ悪く、ぶつぶつでいい。自分がそういうことに直面したときに、果たしてどれだけ誠実でいられるかという問題だと思うんです」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12169379.html?rm=150