あっぱれな一生でしたね

萩原百合さんが亡くなった。まだ53才、突然のことだった。デザイナーや職人たち、ものをつくる人たちにとっての「ねいちゃん」や「かぁちゃん」のような人だった。
みんなで集まって飲むのが大好きで、いつもキッチンでおむすびやたくさんのおかずを手際よくつくってくれていた。大酒飲みで豪快に歌もよく歌った。だから彼女の小さなおうちはいつも満員電車ようだった。
今日お別れの日、「 9坪ハウス」に久しぶりに満員電車がよみがえった。「 みんなの家」「 みんなのかぁちゃん」を最後までつらぬいて逝ってしまった。「9坪ハウス」は戦後最小限住宅と呼ばれて、フォルクスワーゲンのような、スバル360のような家だったけれど、百合さんは小さな家のとっても大きな暮らしをみんなの目の前に現実のものとして見せてくれた。それも9月9日まさに9坪ハウスの日に。
百合さん、みんなのお世話お疲れさまでした。あっぱれな一生でしたね。ゆっくりお休みください。