思う通りに歩けばいいのよ!

ターシャ・テューダー展に行ってきた。もう少し彼女のことを知りたいと思ったから。この間の衛星放送ではソローの言葉を引用していた。どうもこの人は,エマーソン、ソローの系譜にある人なのだろう。とても混んでいた。95%は女性だった。それでもたじろがずに入った。分かったことは,コギーコテッジは家具職人の長男テスがつくったと言うこと。番組で見たこの男のことが好きだった。ターシャ・チューダーはひとりではなかったのだテスがいたのだった。そしてそれは庭が求める建築,建築が求める庭ということにもつながっていくのだなと思った。壁には彼女の言葉がたくさん貼られていた。この人は言葉の人だと思った、寡黙なガーデナーではなくて。「思う通りに歩けばいいのよ」「なんであれ近道なんてつまらないものよ」静かだけれどきっぱりとものを言う。つよい人なのだ。じつは来るべきかちょっと迷っていた。でも来て良かった。ただ会場を出て世界は一変した。なりふり構わぬお金の世界に放り出された。彼女がテスがこの光景を見たら困惑したに違いない。私たちはこんな世界に語りに来たのではないと思っただろう。いや「思う通りに歩けばいいのよ」というかな?多分こういうのを「消費されてしまう」というのだろう。多分彼らは,こんなことで消費されつくされることはないと思う。けれど,もう東京には行かないと言うかもしれない。残念なようなうれしいような。
「思う通りに歩けばいいのよ!」「なんであれ近道なんてつまらないものよ!」これがなかなか難しい。