ひょっとして遠くまで

昨晩は「日本人は何を目指してきたのか・第5回吉本隆明」の再放送を見た。2回目だからと油断していたから,またメモしきれなかったところが多い。これほどずっとメモし続けなくてはいけない番組もめずらしい。ぼくは吉本信者でもなんでもない。もう40年も前、友人達はよしもと、よしもとといつも彼の本を持ちあるいていた。そんな中で分かった風をして「遠くまで行くんだ!」などとは口づさんではいたけれど。それからちらちらと興味があったけれど,まとまったものひとつ読んでいない。でも今回この番組で仰天した。吉本さんって,こんなことを考えてきた人だったんだ。自分の足で立って,徹頭徹尾自分の言葉で。以前,やはり何か軽いエッセイのようなもので,「人生はもういちどコンニチワが大事なんです」。そんなことを書いておられた。そういう意味で,60を半ばを過ぎて,吉本さんにもういちどコンニチワをしている。吉本さんが言った通りだ。「ぼくの孤独はほとんど極限にまで耐えられる」恐れ入ります、吉本さん。ひょっとしてようやく「遠くまで来た」のかもしれない。
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