東京で一番好きな町は三ノ輪の商店街だった

鈴木博之さんがなくなった。で、きちんとご冥福を祈ることもなく、そのままになっていたのであるが、きのうだかの朝日新聞の夕刊を読んだ。この国で、古い建築の保全はなかなか分が悪かったのだけれど、で、なぜ残さなければならないかというと、どうもだれもが、むにゃむにゃむにゃとなってしまうのだけれど、鈴木さんはきっぱりと「新しい都市を作るためには古い建築が欠かせない」と言い切っていたのだと言う。そしてそれが東京駅の再生にもつながった。朝日新聞には下記のようなことが書いてあって、こんな鈴木さんが好きだなぁと思った。近いうちに、鈴木さんが好きだったという三ノ輪の商店街を歩いてみなきゃだ。でも新国立競技場の審査委員として、ひとことだけその思いを聞きたかったのだけれど、それはもう果たせないことになってしまった。
「文化的にして知的なこうした大きい活動とは別に、少し変わったところがいくつかあり、墓地巡りと庭巡りを好み、東京で一番好きな町は三ノ輪の商店街だった。今こうして思えば、三つとも近代の言葉と自意識を吸い取ってくれるような場所なのである。会議が跳ねた夕刻、東京大の赤門から本郷3丁目の交差点まで一緒に歩いている時、好きな詩人の長編詩を口ずさんでくれた声が記憶の底から蘇(よみがえ)ってくる。」藤森照信
http://digital.asahi.com/articles/ASG285139G28ULZU003.html?_requesturl=articles/ASG285139G28ULZU003.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG285139G28ULZU003