こんなひとがいるんだな

なんだかいいなぁこれ。かといって、ちっともよくわからない。で、なんども読んでいたら、やっぱり全部書き写そうということになってしまった。詩なんか読むことはないけれど、この欄の言葉はたしかにあるきだしているよ。ところで秋亜綺羅という人、二才年下だけだという。なんともみずみずしい人だ。
「ひらめきと、ときめきさえあれば 生きていけるさ」だと。

一 + 一 は!
       秋 亜綺羅

空気が踊ると風を感じるよね
空気が眠れば気配を感じる
気配はもうひとりのぼくだとおもう
一緒に歌って笑ってた、きみのこと

涙がとまらなければ金魚と友だちになろうよ
金魚は悲しくても
涙を流すことができない

ガラスの部屋でうずくまるきみは
壊れたこころを癒し終わって
ガラスを壊すときが来るだろう
だいじょうぶ、こわいけれど
ぼくはいつも一緒だから

ひらめきと、ときめきさえあれば
生きていけるさ

だけどあるときは、ぜんぶ裸になって
あるときは派手なコスプレをして
みんなの前に現れる
そんな勇気がいるのかもしれないね

これからぼくたちは向かうだろう
水平線だって波立っている
この場所と時間だけがいまのぼくたち
ふたりで写真を撮ろうか

2013年5月14日 朝日新聞夕刊 「あるきだす言葉たち」より