「大人だなぁ」

このところ、吉田健一を読んでいる。
文庫で400頁以上もあるので、なかなか進まない。その上、酒と料理と旅の話がだらだら続くだけなので、ちっとも勉強にならないなぁ、ためにならないなぁなどと、それこそ健一さんが野暮だなぁと思うようなことを考えるものだから、余計に進まない。
そんなわけで、今晩も風呂桶に半分だけふたをして読んでいたのであるが、あっそうか、「大人だなぁ」ということに気がついた。吉田健一の本と言うのは、大人と言うものは、と言うことなのだなぁとようやく気がついて、急にありがたくなってしまった。
60を過ぎて、大人とは、なんて言う本を読んでいるなんて、いささか、情けないのであるが、大人と言うのは当たり前のことをきわめて当たり前にさらっと言うことなんだろう。
しかしこの分で行くと、とうとう大人になれずに逝ってしまうのかもしれないのであって、どんどん吉田健一を読み進まなければもう時間がない。

http://www.amazon.co.jp/酒肴酒-光文社文庫-吉田-健一/dp/4334740278/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1331648859&sr=8-1