現実の世界に行き詰まったとき、そこにとどまっていては、何も見えない。
だけど、自分からはなかなか出て行けないものです。そんなときは、ファンタジーの力を借りて跳んでみよう、と思うようになりました。
それは何も別の場所に行くことじゃない。赤毛のアンが平凡なくぼ地を『スミレの谷』と名づけたように、今いるここを、自分にとってすてきな場所に変えていく、ということです。
大事なのは、誰かに幸せにしてもらおうとは思わず、一人でも自由に、楽しく生きられる力を育てること。
いまも日々、練習中です。
朝日新聞2011年7月8日夕刊 人生の贈り物 久田恵